世界が終わる、その日まで
ただ…ただ、ただ悲しかった。
目の前に"ある"のは甘栗色の髪の少女。
いつものように笑顔を私に見せてくれるわけでもなく、
いつものように私を怒るわけでもなく、
いつものように人のコトを心配して落ち込んでいるわけでもなく、
それはそれは白く、深く眠っていた。
彼女がいないこの世界は、とてもとても色褪せて見える。
これは私の望んでいた世界ではないんだと、そう…確信した。
いっそのこと、壊して1から創りなおそう。
そしたら…また、アルルに逢える。
そう思うと気が楽になった。
「だからキミは、こんなことしたんだ?」
「ああ」
何もない空間。すべてが0である場所。
そこでアルルと出会った。
「あの世界にはみんな、いたんだよ?」
彼女の声はとても震えていた。
「なんで…?なんでボク一人のために世界を壊したのさ!」
下唇が赤い。
口紅をつけているようで、とても美しい。
「まだまだみんなには明日があったのに…!どうして?!」
涙が止め処なく溢れ、音もなく底のない地におちてゆく。
「…私は創りなおす準備に取り掛かる」
「っ…サタン…!」
「どうしたんだ?」
「同じ…過ちをまた、繰り返すの?」
「私はこれを過ちとは思っていないよ」
「こんなバカなことを繰り返すのはやめてよ!」
「私は…お前に会いたかったのだ」
アルルの涙を指で拭き取る。
「それだけだ」
彼女は大きな目で私を見つめた後、とても悲しそうな顔になった。
「キミは…本当にバカだ。」
私もそう思う、と軽く笑ってみせた。
「そろそろ時間だ」
私はアルルの意識を眠らせ、元の世界を作りなおす作業に取り掛かる。
…この作業は何回目だろう。そしてこのやり取りも何回目だろう。
1万年後…
また会えるという期待を胸に、準備にとりかかる。
10万15歳、彼女と出会うその日まで。
(2009年10月15日)
計算苦手なんだ…
サタンは何回も何回も同じことを繰り返して10万と25歳になったという説を捏造してみた。
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